あいまい劇場 其の壱 あくと

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    2021.10.02

    あいまい劇場 其の壱「あくと」ビジュアル撮影レポート

    IMYがついにオリジナル作品に挑む!なんでも4話のオムニバスによる完全新作とのことだが、一体何が飛び出してくるのか。

    謎に満ちた作品のヒントを探るべく、ビジュアル撮影現場に潜入。撮影レポートと共に、キャストやクリエイターたちの声をお届けしよう。

    山崎育三郎

    マリオネットを操るポーズでは、「指を、ピアノを弾くように動かして」と指示され、華麗に指先を動かしてみせた。手先をしならせたバージョンでは、「美しい!」の声が飛ぶ。見に来た城田が「プリンススマイル!」と叫ぶと、しっかり微笑んでみせた。

    全身ポーズではカメラマンの掛け声に合わせながら、体を振ってジャケットの裾をふわりと浮かせた。

    尾上松也

    まず腰を落としたポーズ。微動だにしないのはさすが歌舞伎で鍛えられた体幹だ。立ちポーズでは、腕を組んで自然に向きを変える。シリアスだったり、柔らかく微笑んだりと歌舞伎界の貴公子そのものだ。

    動きのある全身ポーズでは、ロングコートに衣装替え姿勢を何通りにも変えて、大きくジャンプ。撮影が一通り終わるとモニターを見に来て、「めっちゃ躍動してる!」とにっこり。気に入った様子だ。

    城田 優

    マリオネットを操るポーズでは、長い指と手先にニュアンスを持たせながら、切ない表情を見せた。ビジュアルアート担当の原が「顔の角度を少しずつ変えていただけますか」と言うと、うなずきながら「表情と目線は?」と指示を仰ぎ、その答えに頷いた。時折、ニヒルな顔や微笑、クールな顔と様々な表情をおりまぜながら、撮影は進む。

    全身ポーズでもジャケットの前を大きく広げて、今までにないアイディアを見せた。形だけにとらわれない豊かな発想は、城田の武器に違いない。飛んで跳ねて翻して、手足が長いのも相まって、ダイナミックな動きがとても綺麗だ。

    IMY

    黒のタキシード姿が決まっている3人。スタジオの隅でIMYが談笑しているのを遠目で見ると、ここはお城?と現実を忘れてしまいそうだ。しかし一緒の撮影が始まるとわちゃわちゃ感が半端なく、まさに男子校のノリだ。

    晩餐をイメージした3ショットでは、台の前に3人が座り肘をつく。

    「談笑して」と指示が出ると、なぜか歌い出し、美しくハモるIMYに笑いが起きた。ポーズを変えて松也が二人の肩を組むと、手前の二人が「いやいやぁ」と照れ臭そうなのが微笑ましい。そんな二人を時折くすぐる松也(笑)。見事に男子校ノリだ。2人は大笑いしていたかと思うと、突然凛々しい表情になるその緩急が素晴らしい。

    3人の撮影中にキムラ緑子が到着。キムラが「うわぁ、みんな素敵!」と感嘆すると、城田が「一緒に撮りましょうよ」と誘い、私服のキムラは「無理無理~」と笑いながら逃げていった。

    皆本麻帆

    キラキラした銀のドレス姿が上品なプリンセスそのもので、とてもチャーミングだ。撮影が始まると、皆本は左右に身体を動かしながらツンとすましたり、かと思えば満面の笑みを浮かべたり、声を出して笑ってみたり、表情をコロコロと変える様はさすが女優としか言いようがない。

    しばらく撮影した後、「大丈夫かな?」とモニターをチェック。「とてもエレガントです」とデザイナーが答えると、ちょっと照れてはにかんだ。一体どんなビジュアルになるのか、期待大だ。

     コメント

    こんなにお姫様にしていただけるとは思ってもみなくて、夢のような時間を過ごしました。私は22年前、8歳ぐらいの時に育三郎さんと共演させていただいて、それからずっとお世話になっています。ミュージカル界で道に迷った時は相談させていただいて、導いていただいています。ここに来て、まさかこのよう機会をいただけるとは夢にも思わなかったので、親戚中が大喜びです(笑)。

    脚本を読んだら、はっとさせられるというか、私に言われているような言葉が所々に出てきて、ドキドキするような、救われるような気持ちになりました。ファンタジーのようだけど現代の私達の物語。私自身物語の中にきちんと存在したいし、一観客としてもすごく観たい。もうワクワクしかありません。

    今日初めてIMYのお三方とお会いしました。三人がわちゃわちゃしている感じがすごく楽しさに溢れていて、とてもオープンになれる感覚がありました。仲良しの男子が集っているような、どこか学生時代の匂い。松也さんと城田さんは初めましてですが、イメージそのままで飾らないお兄ちゃんという印象です。同じ仕事をしながらこういう仲間を見つけられるって本当に奇跡みたいなもの。この関係性から作品が生まれるのも、IMYだからできることだと尊敬しています。この空気感で作品を作れたら絶対に良いものになりますね。新しく生まれるものを感じながら、私も共に作っていきたいです。

    個人的な課題はリアルなお芝居です。今までミュージカル作品に出演する機会が多く、ストレートプレイの舞台で日本の現代女性を演じる機会がなかなかなかったので、楽しみです。

    清水美依紗

    赤いワンピースに赤いパンプス、ベージュのストールと鮮やかな衣裳が、ハツラツとした雰囲気の清水によく似合う。デザイナーから「“あざと可愛さ”を目指して」と指示が出て、目を白黒させる場面も。

    だが撮影が始まると、ドレスの裾を大胆にひるがえしながら、大きな瞳でフッと流し目を送るなど自由に動き出した。新星にふさわしいフレッシュな愛らしさ。ドレスがキレイに見えるように何度も同じようなポーズを繰り返したが、最後まで頑張りを見せた。

    コメント

    お話をいただいた時は率直に嬉しかったです。ご活躍されているIMYの御三方とご一緒できる、しかも私は初舞台。このように豪華なキャスト陣とご一緒させていただけて、とても光栄です。

    私は高校卒業後、ミュージカルを学ぶためにニューヨークに留学しました。在学中に育三郎さんが番組収録で、私の学校にいらしたんです。日本人は私だけということでお話しして、『ミス・サイゴン』の「Sun and Moon」を一緒に歌いました。それがきっかけで、今回参加させていただくことになったのです。

    元はアーティストを目指していましたが、全身で表現できるダンスや演技を学びたいと留学。そこでどっぷりミュージカルにハマってしまって、今はアーティストとともにミュージカル女優を目指しています。

    今回のステージは4話のオムニバスから構成され、物語は違うのに繋がっているとのこと。どう展開していくのか、すごくワクワクしています。IMYの皆さんはすごく仲良しで、喩えると自分と同じクラスのすごくモテモテな3人というイメージ。よく話しかけてくださって、とても親近感が湧きました。

    私にとっては何もかもが初めてだらけで、全てがチャレンジ。ミュージカル女優としての第一歩でもあります。日本語で演じることも初めてで、どのような感情表現ができるのかが楽しみです。演出の成河さんは素晴らしい俳優さんだと聞いています。演技面でも自分をさらけ出して、しっかり食らいついていきたいです。

    キムラ緑子

    緑のドレスに水色のチュールのストール姿が美しい。デザイナーから「スタンディングオベーションで、皆さま、ありがとうございますという気持ちを表して」と言われ、両腕を大きく広げて微笑みかける。まるでワンマンショーのようで、その表現力に目を見張った。

    見ていた城田と松也の二人からは「優雅だなぁ」と感心する声が聞こえるとキムラは「早く帰りなさい!」とピシャリ(笑)。まるで学校の先生と生徒みたいなやりとりに、信頼関係が垣間見えた。

    コメント

    IMYプロデュースの第一作目、仲良し3人組に私を招き入れてくださって、なぜ私?と思いつつもすごくウキウキしました。城田くんと育三郎くんは舞台共演があり、松也くんは映像でご一緒したのと、舞台を観に来てくれてよく知っていました。3人ともとても可愛い人たちで、すごく嬉しいです。

    脚本が面白いんです。設定も台詞も面白い。時空を超えてどこまでも行ける、老若男女何にでもなれる演劇の特性が存分に詰まっていて、新しいものを作ろうという意志が滲み出ています。その分、これどうやってやるんだろう?という箇所がたくさん。3人に「この脚本、難しい」と言ったら、「楽しいよ!やりましょう!」と返されて、この人たち、さすがだわ!と思いました(笑)。

    今までにないものを目指す、その心意気は素晴らしいです。だからこそこの脚本を作り、私を誘ってくれた。役についても、この役者にはこの役とイメージにはめられがちなところ、こんな役を私に振ってくれた!という驚きが大きいです。IMY3人の明るさと自由な感じが最高なので、一緒になって自由になりたい。そしてキャスト6人全員でぐしゃぐしゃになって、一つの塊みたいになれたらいいなぁと思います。

    演出の成河さんは今回初めまして。素晴らしい役者さんという噂は聞いています。初演出とのことで、どのように演出されるのかが非常に楽しみです。私にとっても新しいことの連続なので、一生懸命に頑張ります。

    ビジュアルアート 原愛梨 

    コメント

    最初お話をいただいた時は信じられませんでした。城田さんがネットで私の作品を見つけてくださり、松也さんと育三郎さんと相談して、ビジュアルアート担当として私に声をかけてくださったとのこと。すごく嬉しかったです。こうしたビジュアル撮影に関わるのは初めてで、いろんな方に支えていただき、収穫の多い一日でした。実際にキャストの方々の撮影風景を見たことで、こんなアートができそう!と多くのアイディアが湧きました。
    IMYの3人は、すごくフランクな方々。初めての打ち合わせの際、まさかご本人がいらっしゃるとは思わずに驚きました。そこで雑談のように話が始まり、私が思ったことを言いやすい環境を作ってくださいました。撮影でも、「もっと言って」と頼りにしてくださって、とてもありがたかったです。
    IMYの皆さんは、今回のテーマが「挑戦」だとおっしゃっていて、私自身も新しいことに挑戦する気持ちで臨んでいます。公演パンフレットでは、私のアートと写真の融合に挑戦します。ぜひご期待ください。

    IMY

    IMY(山崎育三郎、尾上松也、城田優)が念願のオリジナル作品に挑みます。
    2015年の『エリザベート』での共演で意気投合した頃から、僕ら3人には日本発のオリジナルの演劇、ミュージカルを作りたいという熱い思いがありました。それぞれが多忙な中で話し合いを重ねて、ようやく今秋の実現に漕ぎ着けました。

    IMYは“曖昧”という名の通り、型にとらわれない、カテゴライズされない、今までにないエンターテインメントを目指しています。そこであいまい劇場第一弾では、ミュージカル、演劇、ショーのどれにも当てはまらない、4幕のオムニバス作品を上演します。物語一つ一つに意味があり、結果的には全てが繋がっています。

    新しいことへの挑戦も僕らのテーマの一つです。まず、演出を『エリザベート』で共演した成河くんにお願いしました。彼は芝居への熱量がトップクラスで、役者としても素晴らしい。ポジティブで伝え方や表現も豊かでわかりやすく、演出家に向いていると思いました。初演出とのことで、彼にとっても大きな挑戦となるでしょう。また脚本は3話を福原充則さんが担当、城田も1話を手掛けています。城田にとって初戯曲となります。

    キャストは山崎が子供の頃から知る皆本麻帆さん、3人と深い繋がりのあるキムラ緑子さん、そして山崎がニューヨークで見つけた新星・清水美依紗さんをお迎えします。清水さんは初舞台、これも挑戦といえますね。またビジュアルアートには原愛梨さんを起用、イメージビジュアルや題字、公演パンフレットで若き才能を発揮していただいております。

    チケット関しても、IMYが色々と検討を重ねてきました。スペシャルシートのお客様には、本番前にIMYがアップする様子をお見せするという、普段とはちょっと違う僕らの一面をご覧いただけるかと思います。1500円のIMYチケットは、若い方々が観劇への高い敷居を取り払えるように、18歳以下向けにご用意しました。
    絶対、予想もつかないものがどんどん飛び出してくるおもちゃ箱のようなステージになると思います。ご期待ください!

    チケット一般発売:2021年10月9日(土)AM10:00開始   

    チケット情報はこちら

    【公演概要】

    あいまい劇場 其の壱「あくと」

    期間:2021 年11 月20 日(土)~12 月5 日(日)
    会場:EXシアター六本木

    <スタッフ>

    脚本:福原充則/城田優
    演出:成河
    音楽監督:桑原まこ

    <キャスト> 

    山崎育三郎 尾上松也 城田優/皆本麻帆 清水美依紗/キムラ緑子